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ニオイの系統樹

化学構造で辿る、匂いの「家系図」

生物に系統樹があるように、匂い物質にも化学構造による「系統」があります。
含硫黄化合物、テルペン、芳香族…枝を辿って匂いの世界を探検しよう。

194種のニオイ
含硫黄化合物Sulfur Compounds
21

硫黄(S)を含む分子。卵の腐敗臭から温泉、にんにくまで幅広い。嗅覚閾値が極めて低く(ppb〜ppt)、微量でも強烈に感知される。

含窒素化合物Nitrogen Compounds
14

窒素(N)を含む分子。アンモニアの刺激臭から、インドールの複雑な香り、ピリジンの焦げ臭まで。

アミン類・アンモニアAmines & Ammonia
8

アミノ基(-NH2)またはNH3を持つ。魚臭、腐敗臭、尿臭の主成分。トリメチルアミン(TMA)は魚臭の本体。

インドール類Indoles
4

二環性の含窒素芳香族。低濃度では花のような甘い香り、高濃度では糞便臭。ジャスミンにも含まれる二面性を持つ分子。

ピリジン・ピラジン類Pyridines & Pyrazines
2

含窒素ヘテロ環。タバコの3-エテニルピリジン、焙煎・加熱で生じるピラジン類(メイラード反応)。

テルペン類Terpenes
26

イソプレン単位(C5H8)の繰り返しから成る天然香気成分。植物の香りの主役で、数万種が知られる。

芳香族化合物Aromatic Compounds
20

ベンゼン環を含む化合物。バニラのバニリン、シナモンのシンナムアルデヒド、燻製のフェノール類など。

フェニルプロパノイドPhenylpropanoids
9

C6-C3骨格。バニリン、オイゲノール、桂皮アルデヒド。スパイス・甘い香りの多くがこの系統。

フェノール類Phenols
4

ベンゼン環にOH基。グアイアコール、クレゾールなど。スモーキー、薬品的、焦げ臭。

揮発性有機化合物(VOC)Volatile Organic Compounds
7

トルエン、キシレン、ホルムアルデヒドなど。建材・塗料から揮発する化学的な刺激臭。シックハウス症候群の原因。

脂肪酸・アルデヒドFatty Acids & Aldehydes
22

脂質の代謝・酸化から生じる。加齢臭(ノネナール)、汗臭(イソ吉草酸)、青臭さ(ヘキセナール)のもと。

短鎖脂肪酸(C2〜C6)Short-chain Fatty Acids
10

酢酸(C2)、プロピオン酸(C3)、酪酸(C4)、イソ吉草酸(C5)。汗・足・チーズの酸っぱい臭い。皮膚常在菌が皮脂を分解して生成。

グリーンリーフ系(C6化合物)Green Leaf Volatiles (GLVs)
3

シス-3-ヘキセナール、シス-3-ヘキセノールなど。植物が傷つくと放出するC6アルデヒド/アルコール。青葉の香り。

エステル・ラクトンEsters & Lactones
5

カルボン酸とアルコールの脱水縮合体。フルーティで甘い香りの主役。果物・花・発酵食品に含まれる。

フルーツエステルFruit Esters
2

酢酸エチル、酢酸イソアミル、酪酸メチルなど。果実香の本体。

ラクトン類Lactones
3

環状エステル。ココナッツのγ-ノナラクトン、桃のγ-デカラクトンなど甘くクリーミーな香り。

微生物代謝由来Microbial Metabolites
14

細菌・真菌・放線菌の代謝で発生する揮発性成分。腐敗、発酵、カビ臭のもと。

花香・テルペンアルコール複合体Floral Scent Complexes
11

テルペンアルコール(リナロール、ゲラニオール)とノルイソプレノイド(イオノン)が織りなす花の香り。多数の化合物が調和して「花らしさ」を作る。

ノルイソプレノイド・その他テルペノイドNorisoprenoids & Misc. Terpenoids
8

カロテノイド分解物(β-ダマセノン、イオノン)やメイラード反応と無関係な食品香気成分。蜂蜜、紅茶、緑茶など。

大環状化合物・特殊構造Macrocyclics & Special Structures
1

大環状ケトン(ムスコン)、大環状ラクトン(マクロライド)。ムスクのような持続性のある動物的な香り。

環境・生活空間由来Environmental & Living Space
7

特定の化学物質ではなく、生活空間や自然環境における複合的な匂い体験。

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