いい匂い食べ物・飲み物
味醂
Mirin (Sweet Rice Wine)
香りの強さ:楽に感知できるにおい
臭気の客観指標
臭気強度(6段階臭気強度表示法)
3 / 5
楽に感知できるにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
0.00004 ppm
代表成分: HEMF
出典: Sugawara E. et al., Biosci. Biotechnol. Biochem., 1994
※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。
香りの説明
もち米と米麹を焼酎で仕込んで熟成させた甘い調味酒の芳香。フラネオールやHEMFの甘い香りにエタノールの爽やかさが加わり、煮物や照り焼きに艶と深い甘みの香りを付与する日本の伝統調味料。
主な化学物質
フラネオール(HDMF)HEMFエタノール酢酸エチルフルフラール
暮らしとの関わり
- 煮物に甘い香りを添える
- 照り焼きの艶を演出
- 和食文化を感じる香り
- 家庭的で温かな印象
エビデンス
1994Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry (Sugawara et al.)
本みりんの香気成分分析でHEMFを主要な特徴香成分として同定。味噌・醤油と共通する日本の発酵調味料の基盤となる香気成分であることを報告。
2008Journal of Brewing Society of Japan (角田ら)
本みりんの熟成期間と香気成分の関係を追跡分析し、2年以上の長期熟成でHEMFとフラネオールの濃度が新酒の約3倍に増加し、メイラード反応生成物のメラノイジンが色と香りの深みに寄与することを報告。
トリビア
- 本みりんの特徴香成分HEMFは味噌や醤油と共通する日本発酵食品の「母なる香り」で、もち米のデンプンが麹菌の酵素で分解された糖とアミノ酸がメイラード反応を起こして生成される。
- 味醂のアルコール度数は約14%で、加熱調理中にアルコールが揮発する際に魚の生臭み成分(トリメチルアミン)を共沸させて除去する「臭み消し」効果がある。
- 三河みりん(愛知県)は江戸時代から約250年の歴史を持ち、2年以上の長期熟成で琥珀色が深まるとともにHEMFとフラネオールの濃度が増加し、複雑な甘い香りを獲得する。

編集部の解説
味醂は、甘く温かみのある発酵由来の香りをもつ調味酒です。もち米と米麹を焼酎で仕込み、熟成させることで、やわらかな甘さにエタノールの爽やかさが重なります。香りは中程度で、台所に立つと、煮物や照り焼きの仕上がりを思わせます。
この芳香を形づくるのが、フラネオール(HDMF)やHEMFです。フラネオールは甘い香りを、HEMFは発酵食品らしい奥行きを担います。もち米のデンプンが麹菌の酵素で分解されて生じた糖とアミノ酸がメイラード反応を起こし、HEMFが生成されます。エタノールに加え、酢酸エチルやフルフラールも香りの層をつくります。
味醂は、煮物や照り焼きなど、和食の加熱調理で出会う香りです。料理に艶と深い甘みの香りを与える、日本の伝統調味料として位置づけられています。HEMFは味噌や醤油にも共通する、日本発酵食品の「母なる香り」です。三河みりんは江戸時代から約250年の歴史をもち、2年以上の長期熟成で琥珀色と香りの複雑さが深まります。
楽しむときは、まず容器や料理から立つ甘い香り、発酵の気配、エタノールの爽やかさを分けて感じるとよいでしょう。加熱調理ではアルコールが揮発し、魚の生臭み成分であるトリメチルアミンも共沸して除去されます。煮物や照り焼きに使い、甘い香りと艶の移り変わりを味わうのがコツです。