いい匂い香料・アロマ
お香(伽羅・沈香)
Incense (Agarwood / Jinko)
香りの強さ:楽に感知できるにおい
臭気の客観指標
臭気強度(6段階臭気強度表示法)
3 / 5
楽に感知できるにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。
香りの説明
深く甘いウッディ・バルサミック香にスパイシーで樹脂的な重厚さが加わる。沈香樹が菌感染への防御反応として樹脂を蓄積することで生まれる、自然と時間が織りなす複雑な芳香。
主な化学物質
アガロスピロールジンコールジンコヘロールグアイオールベンジルアセトン
暮らしとの関わり
- 深く甘い木質の香り
- 煙をともなう香文化
- 貴重な天然香料
- 重厚で温かな印象
エビデンス
1996Planta Medica (Okugawa et al.)
沈香(Aquilaria sinensis)の精油成分アガロスピロールが中枢神経系に鎮静作用を持ち、マウスの自発運動量を有意に低減させることを報告。
2016Molecules (Hashim et al.)
沈香の化学成分を網羅的にレビューし、セスキテルペン類とクロモン類が150種以上同定されていることを報告。香気の品質は樹脂蓄積の程度と微生物叢の種類に依存する。
トリビア
- 伽羅(きゃら)は沈香の中でも最高級品で、1gあたり数万円を超え金より高価な天然香料である。
- 正倉院に収蔵されている「蘭奢待(らんじゃたい)」は全長156cmの沈香で、織田信長や足利義満が切り取った記録が残る。

編集部の解説
お香の伽羅・沈香は、深く甘いウッディ・バルサミック香を軸に、スパイシーで樹脂的な重厚さが重なる香りです。煙をともなうことでスモーキーな印象も加わり、温かみのある、奥行き豊かな芳香として感じられます。香りの強さは中程度で、寝室など落ち着いた空間にもなじみます。
この複雑な香りは、沈香樹の自然な変化と時間によって生まれます。沈香樹が菌感染への防御反応として樹脂を蓄積すると、その樹脂を含む部分に芳香が宿ります。アガロスピロール、ジンコール、ジンコヘロール、グアイオール、ベンジルアセトンなどの成分が、甘さや木質感、樹脂らしさ、スパイシーな重なりを形づくっています。
伽羅は沈香の中でも最高級品とされる香材で、1gあたり数万円を超え、金より高価な天然香料とされます。正倉院に収蔵される「蘭奢待」は全長156cmの沈香で、織田信長や足利義満が切り取った記録も残ります。お香は、こうした貴重な香材に触れる文化の一端を、暮らしの中で味わわせてくれます。
楽しむときは、甘い木質香、煙のスモーキーさ、樹脂の重厚さを順に意識すると、香りの層を捉えやすくなります。香りがこもりすぎないよう空間の広さや置き場所を選び、少量から試すのがコツです。香りの印象は焚き方や周囲の空気でも変わるため、静かな時間にゆっくり向き合うとよいでしょう。