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臭い匂い生活環境注意

タバコ残り香(三次喫煙)

Thirdhand Smoke Odor

香りの強さ:楽に感知できるにおい

臭気の客観指標

臭気強度(6段階臭気強度表示法)
3 / 5
楽に感知できるにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
0.01 ppm
代表成分: 3-Ethenylpyridine
出典: van Gemert, Odour Thresholds, 2011

※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。

香りの説明

喫煙後の衣服・髪・壁紙・カーテンに付着し長期間残留する、古いタバコの不快な残留臭。ニコチンが室内の亜硝酸と反応して生成されるタバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)を含み、受動喫煙とは異なるリスクを持つ三次喫煙。

編集部の解説

タバコ残り香(三次喫煙)は、古いタバコが残ったような、スモーキーで刺激的なにおいです。むわっとした印象があり、喫煙後の衣服や髪、壁紙、カーテン、家具などから感じられます。喫煙者自身は匂い順応によって気づきにくい一方、非喫煙者には不快な残留臭として意識されやすいにおいです。

においのもとには、付着して残ったニコチン、3-エテニルピリジン、ナフタレン、クレゾール、タバコ特異的ニトロソアミン(NNK、NNN)などがあります。喫煙後、室内表面に付着したニコチンが室内の亜硝酸と反応し、タバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)が生成されることも、この残り香を特徴づける仕組みの一つです。

この現象を示す「三次喫煙(thirdhand smoke)」という概念は、2009年に提唱されました。喫煙後の住まいや衣類を訪れたとき、寝室や家具から古いタバコのにおいを感じる場面は、その身近な例です。壁紙や家具への匂い移りは、住まいの印象や不動産の扱いにも関わります。

扱うときは、においが付着している場所を衣服、髪、布製品、壁紙、家具などに分けて見ていくのがコツです。表面を拭くだけでは残る場合があるため、においの発生源を一か所に決めつけず、空間全体の付着物として確認します。香りを楽しむ対象というより、残留したにおいの性質を知り、匂い移りに気づくための手がかりとして向き合える香りです。

主な化学物質

ニコチン(付着残留物)3-エテニルピリジンナフタレンクレゾールタバコ特異的ニトロソアミン(NNK, NNN)

暮らしとの関わり

  • 非喫煙者には不快な残留臭
  • 衣服や髪に残る古いタバコ臭
  • 壁紙・家具に匂い移り
  • 住まいの印象に関わるにおい

対策

  • 喫煙場所の分離(屋外喫煙)
  • 壁紙・カーテンの交換
  • オゾン脱臭処理
  • 活性炭フィルター付き空気清浄機の使用

エビデンス

2009Pediatrics (Winickoff et al.)

「三次喫煙(thirdhand smoke)」という概念を提唱し、喫煙後に室内表面に残留するタバコ煙汚染物質の健康影響に関する認識を調査。三次喫煙が子供の健康に悪影響を及ぼすとの認識が、家庭内禁煙ルールの設定と有意に関連することを報告。

2010PNAS (Sleiman et al.)

室内表面に付着残留したニコチンが室内の亜硝酸(HONO)と反応してタバコ特異的ニトロソアミン(NNK, NNN等のTSNA)を生成することを実験的に実証。三次喫煙の発がんリスクの化学的メカニズムを初めて解明。

2011Tobacco Control (Matt et al.)

禁煙後の住居における三次喫煙残留物の持続性を調査。禁煙2ヶ月後もニコチンが壁面・カーペットから検出され、表面清掃だけでは除去不十分であることを報告。

トリビア

  • 三次喫煙(thirdhand smoke)は2009年にWinickoff et al.が提唱した概念で、喫煙後に室内表面に付着したニコチンが室内の亜硝酸と反応してタバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)という発がん物質を生成する。
  • タバコの残り香は「匂い順応」により喫煙者自身は気づきにくいが、非喫煙者は3-エテニルピリジン(嗅覚閾値0.01 ppm)を容易に検知する。不動産業界では「タバコ臭のある物件」は原状回復費用が10-30万円増加する。
  • 三次喫煙の残留物は通常の清掃では除去困難で、ニコチンは壁紙やカーペットに数ヶ月から数年残留する。Matt et al.(2011)は禁煙後2ヶ月経過した住居でもニコチン残留を検出し、表面の拭き取りだけでは不十分であることを報告した。