いい匂い食べ物・飲み物
抹茶
Matcha (Powdered Green Tea)
香りの強さ:楽に感知できるにおい
臭気の客観指標
臭気強度(6段階臭気強度表示法)
3 / 5
楽に感知できるにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
0.003 ppm
代表成分: Dimethyl sulfide
出典: JAOE(永田)三角臭袋法 嗅覚閾値データベース
※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。
香りの説明
深い旨味と甘みを伴う濃厚なグリーン香。覆い下栽培により増加したL-テアニンが独特の甘みと穏やかな苦みの調和を生み出す。蒸した茶葉の青々しさに、海苔のような旨味香が加わる。
主な化学物質
L-テアニンジメチルスルフィドピラジン類リナロールインドール
暮らしとの関わり
- 深い旨味と甘みの香り
- 海苔を思わせる旨味香
- 茶道の茶室に漂う香り
- 点て方で変わる香り
エビデンス
2014Journal of Agricultural and Food Chemistry (Katsuno et al.)
覆い下栽培の抹茶原料茶(碾茶)は、露天栽培に比べジメチルスルフィド(旨味様の香気成分)とL-テアニンが有意に増加し、覆い香と呼ばれる特有の香気プロファイルが形成されることをGC-MSで確認。
2017Nutrients (Dietz & Dekker)
L-テアニンの経口摂取(200mg)はα波を有意に増加させ、リラックスと覚醒を両立する「relaxed alertness」状態を促進する。抹茶1杯に約35mgのL-テアニンが含まれる。
トリビア
- 抹茶の旨味の正体であるジメチルスルフィドは、被覆栽培で日光を遮ることにより通常の緑茶の数倍に増加する。
- 茶道で茶室に漂う抹茶の香りは約200種類の揮発性化合物で構成されており、同じ茶葉でも点て方や温度で香りプロファイルが変化する。

編集部の解説
抹茶は、蒸した茶葉の青々しいグリーン香に、海苔を思わせる旨味香が重なる、濃厚なにおいです。深い旨味と甘みの中に穏やかな苦みがあり、爽やかさと温かさをあわせ持つ印象として感じられます。粉末を湯に溶いて味わうため、香りも味わいもまとまりのある存在感になります。
香りの土台には、覆い下栽培で増加したL-テアニンがあります。L-テアニンは独特の甘みと穏やかな苦みの調和に関わります。海苔のような旨味香を生む成分としてジメチルスルフィドがあり、日光を遮る被覆栽培によって通常の緑茶より数倍に増加します。ピラジン類、リナロール、インドールも抹茶の香りを構成する成分です。
暮らしの中では、抹茶を点てる場面や、茶道の茶室に漂う香りとして出会います。茶室の抹茶の香りは約200種類の揮発性化合物で構成され、同じ茶葉でも点て方や温度によって香りのプロファイルが変化します。食べ物・飲み物として、台所で親しまれる香りでもあります。
楽しむときは、まず粉末の香りを確かめ、点てた後の青々しさや旨味香との違いを比べると、成分の重なりを感じやすくなります。点て方や温度を変えて香りの変化を観察するのも一案です。甘み、苦み、爽やかさ、温かさのどこが前に出るかを、その都度ていねいに味わってみましょう。