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臭い匂い生活環境

押入れのカビ

Closet Mold Odor

香りの強さ:何のにおいか判る弱いにおい

臭気の客観指標

臭気強度(6段階臭気強度表示法)
2 / 5
何のにおいか判る弱いにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
0.000004 ppm
代表成分: Geosmin
出典: Polak & Provasi, Chemical Senses, 1992

※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。

香りの説明

日本家屋の押入れや収納スペースに発生するカビが産生する、土臭くカビ臭い不快な匂い。断熱性の低い壁面の結露を水分源として繁殖するAspergillus属やPenicillium属が、ゲオスミンやMVOCを放出する。

編集部の解説

押入れのカビは、土を思わせるにおいに、湿った場所特有のカビ臭さや、むわっとした不快感が重なって感じられます。日本家屋の押入れや収納スペースで出会いやすく、寝室などでは衣類や布団ににおいが移ることもあります。

においのもとになるのは、カビが放出するゲオスミンやMVOC(微生物揮発性有機化合物)です。Aspergillus属やPenicillium属が、ゲオスミン、2-メチルイソボルネオール、1-オクテン-3-オール、3-メチル-1-ブタノール、2-ヘプタノンなどを放出し、土臭さやカビらしい印象を形づくります。

日本の押入れは北側の壁面に設けられることが多く、冬季には室内の暖気が冷たい壁面で冷やされ、結露が生じます。断熱性の低い壁面の結露が水分源となり、カビが繁殖しやすくなります。梅雨の時期にも、収納内の湿気とにおいが気になりやすい存在です。

扱うときは、押入れにすのこを設置して壁面や床面との間に空気層をつくり、定期的に扉を開けて換気します。衣類や布団を詰め込みすぎず、収納空間の空気の動きを意識すると、においの変化にも気づきやすくなります。

主な化学物質

ゲオスミン2-メチルイソボルネオール1-オクテン-3-オール3-メチル-1-ブタノール2-ヘプタノン

暮らしとの関わり

  • 衣類や布団に移るカビ臭
  • 北側の押入れで出会うにおい
  • 梅雨に強まる収納臭
  • 日本家屋の湿気の記憶

対策

  • すのこの設置による通気性確保
  • 除湿剤・除湿機の使用
  • 定期的な換気(扉を開ける)
  • 防カビシートの敷設

エビデンス

2010Indoor Air (Abe)

日本家屋の押入れ・収納スペースの湿度環境を通年測定し、北側壁面で冬季に相対湿度80%以上が持続することを確認。結露がカビ繁殖の主要因子であり、すのこ設置による通気性確保が最も効果的な対策であることを報告。

1992Chemical Senses (Polak & Provasi)

ゲオスミンの嗅覚閾値を精密に測定し、4 ppt(兆分の4)という極めて低い値を確認。カビ汚染の早期発見指標として嗅覚による検知が有用であることを示唆。

トリビア

  • 日本の押入れは北側の壁面に設けられることが多く、冬季に室内の暖気が冷たい壁面で冷やされて結露が発生する。壁面の表面温度が露点以下になるとカビの繁殖条件(相対湿度80%以上)が整う。
  • ゲオスミンの嗅覚閾値は4 pptと全有機化合物の中でも最低レベルで、押入れのカビ臭はカビのコロニーがごく小さい段階から人間に検知される。「なんとなくカビ臭い」と感じた時点で既にカビが繁殖している証拠である。
  • 押入れの湿気対策として最も効果的なのは「すのこ」の設置で、壁面・床面との間に空気層を作ることで結露を防止する。加えて、定期的に扉を開けて換気するだけで押入れ内の相対湿度を15-20%低下させることができる。