臭い匂い生活環境
洗濯機のカビ
Washing Machine Mold Odor
香りの強さ:楽に感知できるにおい
臭気の客観指標
臭気強度(6段階臭気強度表示法)
3 / 5
楽に感知できるにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
0.001 ppm
代表成分: 1-Octen-3-ol
出典: van Gemert, Odour Thresholds, 2011
※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。
香りの説明
洗濯槽の裏側に繁殖した黒カビ(Cladosporium属)が産生する、カビ臭くかつ雑巾のような不快な匂い。洗剤残渣と衣類由来の皮脂が栄養源となり、湿度100%の洗濯槽内はカビの理想的な繁殖環境となる。
主な化学物質
1-オクテン-3-オールゲオスミン2-メチルイソボルネオール2-ヘプタノン3-オクタノン
暮らしとの関わり
- 洗濯物ににおいが移る
- 生乾き臭と重なりやすい
- 洗濯機に隠れる生活臭
- 梅雨どきに目立つ香り
- 洗濯槽の手入れの目安
対策
- 月1回の洗濯槽クリーナーの使用
- 洗濯後の蓋を開けた換気乾燥
- 洗剤の適量使用(過剰投入を避ける)
- 定期的な乾燥運転(ドラム式の場合)
エビデンス
2009Applied and Environmental Microbiology (Korpi et al.)
カビが産生するMVOC(微生物由来揮発性有機化合物)を網羅的に分析し、1-オクテン-3-オール、ゲオスミン、2-MIBが「カビ臭」の主要3成分であることを確認。
2013Applied and Environmental Microbiology (Stapleton et al.)
家庭用洗濯機内の微生物叢を調査し、使用1年以上の洗濯機の90%以上でCladosporium属とAspergillus属のカビが検出されることを報告。洗濯後の蓋開放が最も効果的な抑制策であることを確認。
トリビア
- 洗濯槽の裏側のカビは肉眼では見えないが、内視鏡検査をすると使用1年以上の洗濯機の約90%でカビの繁殖が確認される。黒カビ(Cladosporium属)が最も多く、1-オクテン-3-オール(カビ臭の主成分)を産生する。
- 「洗濯物の生乾き臭」はモラクセラ菌(Moraxella osloensis)が産生する4-メチル-3-ヘキセン酸(4M3H)が主因だが、洗濯槽のカビ臭がその原因菌を衣類に移す「二次汚染」ルートも重要である。
- 洗濯後に蓋を閉めたままにすると槽内の湿度が90%以上で維持され、カビの増殖速度が最大になる。蓋を開けて換気するだけで湿度が60%以下に低下し、カビの増殖が大幅に抑制される。最も簡単で効果的な対策である。

編集部の解説
洗濯機のカビは、洗濯槽の裏側から漂う、カビ臭く、雑巾を思わせる不快なにおいです。洗濯物を取り出した直後なのに、むわっとしたにおいが残ったり、衣類へにおいが移ったりすることで気づくことがあります。浴室に近い場所や梅雨どきには、いっそう存在感が出やすい香りです。
主な発生源は、洗濯槽の裏側に繁殖した黒カビ(Cladosporium属)です。洗剤残渣や衣類由来の皮脂を栄養にし、湿度100%の槽内で増殖します。カビ臭の主成分である1-オクテン-3-オールのほか、ゲオスミン、2-メチルイソボルネオール、2-ヘプタノン、3-オクタノンなどが重なり、カビらしさや雑巾のような印象を生みます。
洗濯槽の裏側は見えにくいため、外見がきれいでもにおいの発生源が隠れていることがあります。使用1年以上の洗濯機では、内視鏡検査によって約90%でカビの繁殖が確認され、黒カビ(Cladosporium属)が最も多いとされています。洗濯後に蓋を閉めたままにすると、槽内の湿度が90%以上で維持され、増殖しやすくなります。
香りを快適に保つには、洗濯後に蓋を開けて換気し、槽内に湿気をこもらせないことが基本です。蓋を開けるだけで湿度が60%以下に低下するため、手軽な習慣になります。洗濯物に移ったにおいを香りづけで覆うより、洗濯槽の裏側に残る原因へ目を向けるのが扱い方のコツです。