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臭い匂い生活環境

腐った牛乳

Spoiled milk odor

香りの強さ:強いにおい

臭気の客観指標

臭気強度(6段階臭気強度表示法)
4 / 5
強いにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
0.00019 ppm
代表成分: Butyric acid
出典: Nagata Y. (2003), JAOE database entry #66. n-Butyric acid: 1.9 x 10^-4 ppm.

※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。

香りの説明

乳酸菌やシュードモナス属菌が牛乳の乳脂肪と乳タンパクを分解して生じる酸っぱく嘔吐を催す悪臭。酪酸やカプロン酸などの揮発性脂肪酸にプトレシン等のアミン類が加わった腐敗臭。

編集部の解説

腐った牛乳は、酸っぱいにおいに腐敗臭が重なった、むわっと強い悪臭です。台所や冷蔵庫で、開封後の牛乳から感じられることがあり、特に夏の生活環境では印象に残りやすいにおいです。新鮮な乳製品の香りとは異なり、強烈で嫌悪感を覚えやすいのが特徴です。

においのもとは、乳酸菌やシュードモナス属菌が牛乳の乳脂肪と乳タンパクを分解して生じる成分です。酪酸やカプロン酸などの揮発性脂肪酸に、プトレシンなどのアミン類が加わり、腐敗臭を形づくります。乳糖を乳酸菌が発酵して乳酸が生じると、カゼインタンパクが凝固し、牛乳はヨーグルト状へ変化します。ジアセチルやアセトアルデヒドも、変化した牛乳のにおいを構成する成分です。

暮らしの中では、冷蔵庫に入れていても数日でにおい始める牛乳として出会います。低温でも増殖できるシュードモナス属菌が乳脂肪を分解することが、その一因です。酪酸という名前はラテン語のbutyrum(バター)に由来し、身近な食品の変化と、成分名の歴史がつながっています。

この香りは、好ましい香料として味わうものではなく、牛乳の状態が変わったことを見分ける手がかりとして扱うのがコツです。容器を開けたときに酸っぱさやむわっとした腐敗臭を感じたら、香りを何度も確かめるより、周囲の食品ににおいが移らないよう分けて扱いましょう。

主な化学物質

酪酸カプロン酸プトレシンジアセチルアセトアルデヒド

暮らしとの関わり

  • 酸っぱく強い腐敗臭
  • 台所で気づく変化のにおい
  • 冷蔵庫でも生じる生活臭
  • 食品の状態を見分ける手がかり
  • バターに由来する成分名

対策

  • こぼした牛乳の速やかな拭き取り・洗浄
  • 重曹水溶液での中和処理
  • 適切な冷蔵管理(10℃以下)
  • 酸素系漂白剤での洗浄

エビデンス

2001International Dairy Journal (Datta & Deeth)

牛乳の脂肪分解(lipolysis)のメカニズムを包括的にレビュー。Pseudomonas属菌のリパーゼが乳脂肪のトリグリセリドを加水分解して酪酸、カプロン酸等の悪臭脂肪酸を遊離させることを報告。

2011Journal of Dairy Science (Raats et al.)

低温貯蔵牛乳の微生物叢変化を追跡し、Pseudomonas fluorescensが5℃でも増殖して耐熱性プロテアーゼ・リパーゼを分泌することを確認。UHT処理後の牛乳でもこれらの残存酵素が品質劣化を引き起こす。

トリビア

  • 腐った牛乳の酸っぱい匂いは乳糖を乳酸菌が発酵して乳酸を生成する過程で生じ、pH低下に伴ってカゼインタンパクが凝固して「ヨーグルト状」に変化する。
  • 牛乳の腐敗臭で最も不快とされるのは酪酸(嘔吐物の匂い)で、嗅覚閾値が0.19 ppbと極めて低い。「酪酸」の名前自体がラテン語のbutyrum(バター)に由来する。
  • 開封後の牛乳が冷蔵庫でも数日で匂い始めるのは、低温でも増殖できるPseudomonas fluorescensなどの好冷細菌がリパーゼを分泌して乳脂肪を分解するため。