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いい匂い自然・環境

月桃

Shell Ginger (Gettou)

香りの強さ:楽に感知できるにおい

臭気の客観指標

臭気強度(6段階臭気強度表示法)
3 / 5
楽に感知できるにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
0.012 ppm
代表成分: 1,8-Cineole
出典: van Gemert, Odour Thresholds, 2011

※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。

香りの説明

沖縄の亜熱帯に自生するショウガ科の植物が放つ、甘くスパイシーで清涼感あるエキゾチックな芳香。葉に含まれるシネオールの爽快さとリナロールの花香にp-シメンのスパイシーノートが加わった、南国の風を感じさせる香り。

編集部の解説

月桃は、甘さを含んだスパイシーさと、すっと抜ける清涼感をあわせ持つ香りです。沖縄の亜熱帯に自生するショウガ科の植物らしく、青々とした葉を思わせる爽やかさの中に、南国の空気を感じさせるエキゾチックな印象があります。屋外や自然の中で出会うと、夏の風景ともよくなじみます。

香りの表情には、葉に含まれる1,8-シネオールの爽快なノート、リナロールの花を思わせる香り、p-シメンのスパイシーなニュアンスが関わっています。さらにテルピネン-4-オールやカンファーも含まれ、甘さ、花香、清涼感、香辛料のような刺激が重なって、単調ではない芳香を形づくります。

沖縄では月桃は「サンニン」と呼ばれ、葉で餅を包んだムーチー(鬼餅)が、旧暦12月8日に食べる伝統行事食として知られています。葉の香りは食文化の中で親しまれ、月桃茶や月桃水にも利用されてきました。白く、ピンクの縁取りがある花も、亜熱帯の植物らしい存在感を添えます。

香りを楽しむときは、まず葉を思わせる爽やかさ、次に花のような甘さ、最後にスパイシーな余韻という順に印象を追うと、成分の重なりを感じ取りやすくなります。精油や香りの素材として使う場合は、少量から試し、他の香りと合わせるときも、清涼感と甘さのバランスを見ながら扱うのがコツです。

主な化学物質

1,8-シネオールリナロールp-シメンテルピネン-4-オールカンファー

暮らしとの関わり

  • 南国を思わせる芳香
  • 沖縄の伝統食に登場
  • 葉の爽やかさと花香
  • 夏の自然に似合う香り

エビデンス

2009Journal of Ethnopharmacology (Murakami et al.)

月桃(Alpinia zerumbet)の葉の精油成分を分析し、1,8-シネオール、p-シメン、テルピネン-4-オールが主要成分であることを報告。抗菌・抗酸化活性が精油濃度と正の相関を示すことを確認。

2007Food Chemistry (Elzaawely et al.)

月桃の葉の抗酸化活性を測定し、ポリフェノール含有量が高く、DPPH法での抗酸化力が赤ワインの約34倍であることを報告。沖縄の伝統的な食品保存法(月桃の葉で餅を包む)の科学的根拠を提示。

トリビア

  • 月桃は沖縄で「サンニン」と呼ばれ、葉で餅を包んだ「ムーチー(鬼餅)」は旧暦12月8日に食べる伝統行事食である。月桃の葉の防腐・抗菌作用は精油成分のシネオールとテルピネン-4-オールによるもの。
  • 月桃の精油にはポリフェノールが豊富に含まれ、赤ワインの約34倍の抗酸化力を持つとの報告がある。沖縄では月桃茶や月桃水が伝統的な民間療法として利用されてきた歴史がある。
  • 月桃は種子島以南の温暖な地域にのみ自生し、本州では冬越しが困難である。近年は観葉植物としても人気があり、室内でも芳香を楽しめる。月桃の花は白くピンクの縁取りがあり、「ゲットウ」の名は台湾語に由来する。