いい匂い食べ物・飲み物
甘酒
Amazake (Sweet Rice Drink)
香りの強さ:何のにおいか判る弱いにおい
臭気の客観指標
臭気強度(6段階臭気強度表示法)
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何のにおいか判る弱いにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
0.00004 ppm
代表成分: Furaneol (HDMF)
出典: van Gemert, Odour Thresholds, 2011
※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。
香りの説明
米麹で米のデンプンを糖化させた日本の伝統的甘味飲料から漂う、穏やかな甘さと発酵の芳香。フラネオールの甘い香りとエタノールの微かなアルコール香、米由来のアルデヒド類がほっこりとした温かい香りを形成する。
主な化学物質
フラネオール(HDMF)HEMFエタノール(微量)酢酸エチルアセトアルデヒド
暮らしとの関わり
- 穏やかな甘さと温かい香り
- 日本の伝統食文化を感じる香り
- 冬の食卓を彩る飲み物
- 米麹と酒粕で香りが異なる
エビデンス
2017Journal of Bioscience and Bioengineering (Oguro et al.)
米麹甘酒の揮発性成分を分析し、フラネオール(HDMF)とHEMFが特徴香成分であることを報告。麹菌(A. oryzae)の酵素活性と香気成分生成の関係を解明。
2021Nutrients (Katagiri et al.)
米麹甘酒の栄養成分を分析し、ブドウ糖、ビタミンB群、必須アミノ酸が豊富に含まれることを確認。「飲む点滴」としての栄養学的特徴を科学的に検証。
トリビア
- 甘酒には「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類があり、香気プロファイルが異なる。米麹甘酒はフラネオールやHEMFの甘い香りが主体でアルコールはほぼ含まない。酒粕甘酒はエタノールや酢酸エチルのアルコール発酵香が加わる。
- 甘酒は「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養価が高く、ブドウ糖・ビタミンB群・必須アミノ酸を含む。江戸時代には夏バテ防止の栄養飲料として夏に飲まれており、俳句では「甘酒」は夏の季語である。
- 米麹甘酒の甘い香りの主成分フラネオールは、イチゴ・パイナップル・味噌・醤油にも共通して含まれる日本の発酵食品を代表する香気成分で、麹菌(Aspergillus oryzae)の代謝産物である。

編集部の解説
甘酒からは、米を思わせるやわらかな甘さに、麹由来の発酵した香りが重なって漂います。温度を感じさせるほっこりした印象があり、甘い食品らしい親しみやすさの中に、かすかなアルコール香や発酵由来の複雑さも感じられます。米麹甘酒と酒粕甘酒では、香りの表情が異なります。
香りの中心になるのは、甘くフルーティーなフラネオール(HDMF)とHEMFです。米麹では、麹菌が米のデンプンを糖化する過程に関わり、こうした甘い香りが立ち上がります。米由来のアルデヒド類は、温かみのある印象を形づくる成分です。酒粕甘酒では、エタノール(微量)や酢酸エチル、アセトアルデヒドが加わり、アルコール発酵を思わせる香りが感じられます。
甘酒は日本の伝統的な甘味飲料として、台所や食卓で親しまれてきました。江戸時代には夏に飲まれていた記録があり、俳句では「甘酒」が夏の季語です。一方で、温かい甘酒から立つ香りは冬の季節感とも結びつき、現在も季節を演出する飲み物として出会います。フラネオールは、イチゴやパイナップル、味噌、醤油にも共通する香気成分です。
香りを楽しむなら、まず湯気とともに立つ甘い香りを静かに確かめ、次に発酵由来の香りや微かなアルコール香へ意識を向けると、印象の重なりが分かりやすくなります。米麹甘酒と酒粕甘酒を飲み比べると、フラネオールやHEMFが主体の甘い香りと、エタノールや酢酸エチルを含む発酵香の違いも楽しめます。