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臭い匂い食べ物・飲み物dangerous

腐った卵

Rotten Egg

香りの強さ:強烈なにおい

臭気の客観指標

臭気強度(6段階臭気強度表示法)
5 / 5
強烈なにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
0.00041 ppm
代表成分: Hydrogen sulfide
出典: Nagata Y. (2003) Measurement of odor threshold by triangle odor bag method, Odor Measurement Review, pp.118-127

※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。

香りの説明

卵の中のタンパク質(特にシステイン・メチオニン)が嫌気性細菌により分解されて発生する、硫化水素を主体とした強烈な腐敗臭。「腐った卵の匂い」は悪臭の代名詞として世界共通で認知されている。

編集部の解説

腐った卵は、硫黄を思わせる鋭いにおいと、むわっと広がる強烈な腐敗臭として感じられます。圧倒的な存在感があり、「腐った卵の匂い」は悪臭の代名詞として世界共通で認知されています。台所で出会うにおいの中でも、印象に残りやすい種類です。

主役は硫化水素です。卵の中のタンパク質、とくにシステインやメチオニンが嫌気性細菌によって分解されると、硫化水素が発生します。そこにメチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、アンモニア、トリメチルアミンなどが重なり、単一ではない複雑な腐敗臭になります。

卵の鮮度を水に浮かべて見分ける方法は、古くから知られています。腐敗の過程で卵の内部に硫化水素やアンモニアのガスが蓄積し、気室が大きくなることで浮力が増すためです。新鮮な卵は沈み、腐った卵は浮くという違いが、暮らしの知恵として語られてきました。

この香りは、少し確認するだけでも印象が強く残ります。においを楽しむ対象ではありませんが、硫黄臭、腐敗臭、むわっとする感じといった特徴を言葉にすると、成分の重なりを意識できます。扱うときは、顔を近づけて嗅ぎ続けず、短時間で特徴を捉えるのがコツです。

主な化学物質

硫化水素メチルメルカプタンジメチルスルフィドアンモニアトリメチルアミン

暮らしとの関わり

  • 悪臭の代名詞
  • 台所で出会う腐敗臭
  • 硫黄を思わせる印象
  • 世界共通の不快臭
  • 卵の鮮度判定と結びつく

対策

  • 腐敗卵の速やかな廃棄
  • 冷蔵保存による鮮度管理
  • ゴミ袋の密封
  • 換気の確保

エビデンス

1992Toxicological Sciences (Reiffenstein et al.)

硫化水素の毒性を包括的にレビュー。嗅覚閾値0.41 ppb、50 ppm以上で嗅覚神経麻痺、100 ppm以上で生命危険、500 ppm以上で即死リスクがあることを体系的に報告。

2006Proceedings of the National Academy of Sciences (Liberles & Buck)

微量アミン関連受容体(TAAR)が腐敗臭の検出に関与することを発見。硫化水素を含む腐敗シグナルの回避行動が進化的に保存された嗅覚受容体で媒介されることを示唆。

トリビア

  • 硫化水素は嗅覚閾値が0.41 ppbと非常に低く微量で検知できるが、50 ppm以上の高濃度では嗅覚神経が麻痺して匂いを感じなくなる「嗅覚疲労」が起き、危険に気づけなくなる。100 ppm以上で生命に危険。
  • 卵の鮮度判定は水に浮かべる方法が古くから知られているが、これは腐敗過程で卵内部に硫化水素やアンモニアのガスが蓄積して気室が大きくなり浮力が増すためである。新鮮な卵は沈み、腐った卵は浮く。
  • 「腐った卵の匂い」が世界共通の不快臭として認識されるのは、硫化水素が腐敗のシグナルとして進化的に嫌悪を引き起こすよう遺伝的にプログラムされているためとする説がある。TAAR(微量アミン関連受容体)が関与。