臭い匂い生活環境
ゴキブリの臭い
Cockroach odor
香りの強さ:楽に感知できるにおい
臭気の客観指標
臭気強度(6段階臭気強度表示法)
3 / 5
楽に感知できるにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。
香りの説明
ゴキブリが集団で棲息する場所に漂う独特の脂っぽく酸っぱい悪臭。体表の炭化水素、フェロモン、糞便から発する揮発性脂肪酸が混じった不快な臭いで、「ゴキブリ臭」として知覚される。
主な化学物質
揮発性脂肪酸(酢酸、プロピオン酸)集合フェロモンp-クレゾール糞便由来アンモニアオレイン酸(死の信号物質)
暮らしとの関わり
- 脂っぽく酸っぱい悪臭
- 台所で感じる生活臭
- 集団棲息を示すにおい
- 嫌悪感を呼ぶ印象
- 生活環境の不衛生さを示す
対策
- 発生源の駆除・清掃
- 食品の密閉保管
- 侵入経路の封鎖(隙間のパテ埋め)
- ベイト剤(毒餌)による駆除
エビデンス
1994Naturwissenschaften (Rollo et al.)
死んだゴキブリからオレイン酸とリノール酸が放出され、他のゴキブリがこの「死の臭い」(necromone / 死体認識物質)を検知して死体を回避する行動を示すことを実験的に確認。脂肪酸による死体回避は昆虫に広く保存されたメカニズム。
2016Journal of Allergy and Clinical Immunology (Do et al.)
ゴキブリアレルゲン(Bla g 1, Bla g 2)が都市部の家庭内空気中に検出され、喘息増悪と有意に相関することを大規模コホート研究で確認。
トリビア
- ゴキブリの集合フェロモンは糞便に含まれており、仲間を呼び寄せて集団を形成させる。この臭いが強い場所ほど大量の個体が潜んでいる可能性が高い。
- 死んだゴキブリからはオレイン酸が放出され、これが「死の臭い」シグナルとなって他のゴキブリに死体を避けさせる(necromone)。

編集部の解説
ゴキブリの臭いは、集団で棲息する場所に漂う、脂っぽさと酸っぱさが重なった独特の悪臭です。むわっと広がる刺激的なにおいとして感じられ、台所などの生活環境で「ゴキブリ臭」と知覚されます。とくに夏に強く感じられることがあります。
このにおいは、ひとつの成分だけで生まれるものではありません。体表の炭化水素、糞便に含まれる集合フェロモン、糞便由来の揮発性脂肪酸である酢酸やプロピオン酸、p-クレゾールなどが混じり合います。さらに、死んだゴキブリからはオレイン酸が放出され、仲間に死を知らせる信号になります。
集合フェロモンは糞便に含まれ、仲間を呼び寄せて集団を形成させます。そのため、臭いが強い場所では、多くの個体が潜んでいる可能性があります。ゴキブリの臭いは、単なる不快なにおいとしてだけでなく、集団生活や死体を避ける行動と結びついた、生活環境のサインとして知られています。
扱うときは、においを無理に確かめようとせず、発生場所や強さを周囲の状況とあわせて捉えるのがコツです。台所などで脂っぽく酸っぱい臭いを感じたら、集団で棲息している場所から漂っている可能性を考えます。臭いの印象を記録するなら、刺激的、むわっとする、台所、夏に強いといった言葉が手がかりになります。