いい匂い自然・環境
木工房(おがくず)
Woodworking Shop (Sawdust)
香りの強さ:楽に感知できるにおい
臭気の客観指標
臭気強度(6段階臭気強度表示法)
3 / 5
楽に感知できるにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
0.018 ppm
代表成分: alpha-Pinene
出典: JAOE(永田)三角臭袋法 嗅覚閾値データベース
※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。
香りの説明
製材所や木工房に漂う、切りたての木材の爽やかで温かいウッディ香。針葉樹からはα-ピネンやヒノキチオール、広葉樹からはバニリンやオイゲノールが揮発し、樹種ごとに個性的な芳香が生まれる。
主な化学物質
α-ピネンβ-ピネンリモネンヒノキチオールセドロール
暮らしとの関わり
- 切りたての木を思わせる香り
- 木工房を象徴する香り
- 樹種ごとに個性がある
- ものづくりの場で出会う香り
エビデンス
2010International Journal of Environmental Research and Public Health (Li Q.)
森林環境(フィトンチッド)への曝露がNK細胞活性を有意に増加させることをヒト介入試験で確認。α-ピネンとリモネンが主要な活性成分として推定された。
2006Wood Science and Technology (Roffael)
木材の樹種別VOC放出特性を網羅的にレビュー。針葉樹(ヒノキ、スギ、マツ)はモノテルペン類、広葉樹(ケヤキ、ナラ)はアルデヒド類が主要な揮発性成分であることを報告。
トリビア
- 木材の香りは心材(赤身)と辺材(白太)で異なり、心材は防腐・防虫のためにテルペン類やフェノール類を多く蓄積しているため香りが強い。
- 日本の大工は木材の香りで樹種を判別でき、特にヒノキ・スギ・ケヤキ・クスノキは香りの個性が強く識別が容易とされる。
- 木工房に漂うα-ピネンは森林浴の主要成分でもあり、Li Q. (2010) の研究で免疫機能の向上(NK細胞活性化)との関連が報告されている。

編集部の解説
木工房や製材所に入ると、切りたての木材とおがくずが混じった、爽やかで温かいウッディ香に出会います。乾いた木の粉の香ばしさというより、樹木そのものを思わせる清々しさがあり、香りの強さは中程度。針葉樹か広葉樹かによっても、印象は少しずつ変わります。
この香りは、木材から揮発する成分によって生まれます。針葉樹ではα-ピネンやβ-ピネン、リモネン、ヒノキチオールなどが、広葉樹ではバニリンやオイゲノールなどが芳香に関わります。さらにセドロールも木質感を支える成分の一つです。木材の心材と辺材では香りが異なり、心材にはテルペン類やフェノール類が多く蓄積されています。
暮らしの中では、家具や木製品を作る木工房、製材所、木材を扱う作業場などで感じられます。日本の大工は木材の香りで樹種を判別できるとされ、ヒノキ、スギ、ケヤキ、クスノキは香りの個性が強い樹種として挙げられています。木の香りは、素材を見分ける手がかりであると同時に、ものづくりの場を象徴する香りでもあります。
楽しむときは、木材の種類や心材・辺材の違いに注目し、削りたてのおがくずに近づきすぎず、作業場全体に漂う香りをゆっくり味わうのがコツです。針葉樹の清涼感、広葉樹の甘さやスパイス感など、樹種ごとの違いを比べると、同じ木工房でも香りの表情を細かく感じ取れます。