日本のニオイマップ
あなたの街の「匂い」を記録しよう
日本各地で感じた匂い — 焼き鳥の煙、お寺のお香、海風、温泉の硫黄…
みんなのニオイ体験を集めて、日本の「匂いの風景」を可視化するプロジェクトです。
匂いカテゴリ分布
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夏の夕方、飲食店の排気と生ゴミ回収前のポリバケツから有機酸の酸っぱい発酵臭が蒸し暑い空気に充満する。居酒屋のグリストラップから漏れる油脂の酸化した匂いが歩道に滞留している。
標高364mの展望台からは九十九島を一望でき、複雑に入り組んだリアス海岸から立ち上る潮風が針葉樹の山の匂いと混じる。展望台下の佐世保バーガー店からは炭火で焼かれたパティの肉汁の匂いが漂う。
石油備蓄基地と飼料工場が並ぶ湾岸エリアは、魚粉飼料を製造する際の魚の内臓を加熱した生臭い匂いとトリメチルアミンの刺激臭が風向き次第で住宅地まで届く。地元では慣れてしまう匂い。
今治タオルの産地である今治の繊維工場群からは、綿糸を精練する際の苛性ソーダの石鹸に近い匂いと、染色工程の染料の化学的な匂いが風に乗る。タオル美術館の館内は洗いたての綿の清潔な匂い。
約400年の歴史を持つ醤油蔵が集まる地域は、大豆と小麦の麹が発酵する甘酸っぱい醸造臭が路地全体に染みついている。杉桶の木の匂いと熟成したもろみの黒い深い匂いが重なり合う。
信号待ちの車列から排気ガスのNOxっぽい刺激臭が低く漂い、人混みの体温と香水が混ざる。夏場は地下街からの温風が生暖かく、アスファルトが焼ける独特のゴム臭も加わる。
不忍池の蓮が一面に広がる夏の早朝、泥水の有機的な匂いと蓮の花の清楚な甘い香りが同時に鼻に届く。亀が甲羅干しする岩場の近くは藻の青臭さが濃い。
梅雨の増水時、神田川沿いの遊歩道を歩くと下水の合流式放流口から硫化水素に似た卵の腐った匂いが漂ってくる。普段は気にならないが、雨上がりの蒸し暑い日は堪える。
満開の染井吉野の花弁からクマリンの仄かなバニラ香が降りてくる。川面からは少し苔の匂いがするけれど、桜のトンネルの中は春だけの甘い空気に満たされている。
海沿いの埋立地特有の潮とコンクリートの無機質な匂い。イベント開催日は入場列から人いきれのムワッとした体温と、缶コーヒーの匂いが混じる不思議な空気。
路上生活者のテントが並ぶ一角は、古い衣類の饐えた匂いとカップ酒のアルコール臭が混じる。商店街に入ると安い揚げ物の油と焼酎の匂いに変わる。
大阪湾に面した工業地帯を走ると、ゴミ焼却施設の排煙の焦げた樹脂のような匂いと、隣接する下水処理場の微かな塩素臭が海風に乗って鼻に届く。
約100品種1270本の梅が咲き誇る2月下旬、甘酸っぱい梅の花の香りが冷たい空気に溶け込む。白梅は控えめだが紅梅は濃厚で、蝋梅のスパイシーな芳香がアクセントになっている。
日本一長い商店街を歩くと、コロッケの揚げ油、昆布出汁の煮物、焼きそばソースの匂いが50メートルごとに入れ替わる。夕方の買い物客が増える時間帯は人の汗と食品の匂いが混然一体。
週末夜の戎橋周辺は、道頓堀川の少し澱んだ水の匂いに、酔客の吐瀉物と消毒液のツンとする匂いが重なる。朝になると清掃されるが、夏の深夜は鼻で「ミナミ」を実感する。
毎月21日の弘法市は線香と蝋燭の蝋の匂いが境内に充満し、露店の古道具からは樟脳と古い木の匂いがする。漬物や七味唐辛子の売り子の声と匂いが混ざり、中世の市場もこんな感じだったのかと思わせる。
夏の夜、納涼床の真下の鴨川は水位が下がり、川底の藻が干上がった青臭い匂いが立ち上る。上流の飲食店の排水も混じっているのか、油膜のような匂いが微かにする。
京都府立植物園の温室を出ると、秋のキンモクセイの甘い香りが北山通りまで漂ってくる。花期はわずか2週間だが、この時期だけ通り全体がオレンジ色の芳香に包まれる。
観光バスとタクシーのアイドリングでディーゼルの排気ガスが溜まりやすい構造。特に風のない夏の昼はPM2.5混じりの白い靄と、灼けたアスファルトの石油臭が喉に引っかかる。
製油所と化学プラントが立ち並ぶ産業道路沿いは、石油精製のナフサの甘いような溶剤臭が風向き次第で住宅地まで届く。夜はフレアスタックの炎とともに硫黄系の匂いが増す。
昭和の面影が残る野毛の路地は、もつ煮込みの味噌と内臓の匂い、ホッピーの麦の香り、焼き鳥の炭火が狭い路地に凝縮。決してお洒落ではないが、横浜のもう一つの顔の匂い。
広大な日本庭園に一歩入ると、池の水面を渡る風が睡蓮の甘い匂いを運んでくる。松の木立の間を歩くとテルペンの爽やかな樹脂香が続き、古い茶室からは畳のイグサの匂い。
ウッドデッキの桟橋に立つと、潮風と船舶の重油の匂いが交互に届く。豪華客船が接岸している日は排煙の軽油臭がデッキに滞留し、港町横浜の「働く海」の匂いを実感する。
ナイター開催日の夕方、球場周辺に焼きそばとフランクフルトの鉄板の匂いが漂い始める。ビールの麦芽とホップの冷たい香りが紙コップから立ち上り、夏の野球観戦の高揚感を匂いで感じる。
新幹線改札を出た太閤口のロータリーは、タクシーとバスのディーゼル排気が屋根の下に滞留して逃げ場がない。夏場はアスファルトの熱気と排ガスの二酸化窒素臭で息苦しくなる。
コアラ舎は意外に無臭だが、ゾウ舎の前は草と糞の発酵した有機的な匂いが漂う。植物園エリアに入ると一転、秋バラの華やかな芳香と針葉樹のフィトンチッドの清涼感に包まれる。
再開発が進む一方で運河の水は相変わらず濁り、夏場の水温上昇で藍藻が繁殖すると、カビに似た2-メチルイソボルネオールの土臭い匂いが周辺に漂う。風がない日は特に強い。
毎月21日の縁日には参道に露店が並び、五平餅の焦がし味噌ダレの香ばしさとみたらし団子の醤油の焦げる甘い匂いが混じる。普段は静かで、寺院の白檀線香の匂いだけが漂う。
名古屋南部の臨海工業地帯に近づくと、製鉄所のコークス炉から漏れる硫黄系の匂いとスラグの焼けた金属臭が風に乗ってくる。地元の人は「鉄の匂い」と呼んでいる。
バスターミナルの排気ガスが駅前広場に溜まり、ディーゼルの黒煙と灼けたブレーキパッドの金属臭が混じる。地下鉄の排気口からは地下街の空調の生暖かい匂いが吹き出す。
どんこ舟に揺られると水面すれすれで川の有機物の匂いを間近に感じる。掘割の水は澱んでいるが不快ではなく、岸辺の柳の葉の青い匂いと菖蒲の甘い香りが季節を告げる。
冬季限定の牡蠣小屋が並ぶ海岸沿いに車を停めると、炭火で焼かれる牡蠣の潮の凝縮された磯の匂いと、殻が弾ける時の海水蒸気が顔に当たる。ポン酢と柑橘の爽やかな香りも混じる。
池の周回コースを朝ランすると、睡蓮の甘い匂いと池の水の匂いが心拍とともにリズミカルに届く。日本庭園の入口ではマツの樹脂のテルペン香が際立ち、走った後の清涼感が増す。
早朝4時の市場周辺は、水揚げされたばかりの魚のトリメチルアミンの生臭さと海水の塩気が充満。市場内は氷と魚のひんやりした匂い。近くの長浜ラーメン屋台からは豚骨の白い湯気。
5月下旬、約400本のライラックが一斉に咲くと、大通公園全体がスズランに似た甘くパウダリーな芳香に包まれる。まだ肌寒い北海道の春の空気に、花の匂いが溶け込んでくる瞬間。
雪解けの春、豊平川は雪と泥の混じった土臭い匂いの水が勢いよく流れる。夏になると河川敷のバーベキュー客の炭火と肉を焼く匂いが対岸まで届き、鮭の遡上期は川全体が生臭くなる。
冬の朝、除雪車のディーゼル排気と融雪剤の塩化カルシウムの無機質な匂いが交差点に漂う。ロードヒーティングの排熱で雪が溶けた路面からは、アスファルトの湿った匂いが立ち上る。
観光客向けの海鮮市場に入ると、氷に並んだカニとウニの磯の匂いが冷たい空気とともに押し寄せる。奥の食堂コーナーでは炙りサーモンの脂が焦げる甘い匂いと味噌汁の湯気。
渓谷に近づくにつれ硫黄泉の硫化水素の匂いが濃くなっていく。温泉街の足湯のそばでは湯の花の鉄っぽいミネラル臭と、紅葉した渓谷の落ち葉の湿った甘い匂いが交錯する。
人工島の広い道路は風通しが良く基本的に無臭だが、製薬会社や食品工場が並ぶエリアでは、原料の有機溶剤や穀物の発酵した甘い匂いが時折風に乗ってくる。
BE KOBEモニュメントのそばに立つと、港の重油とタールの匂い、コンテナ船の排煙、そして対岸のパン工場から流れてくる焼きたての小麦の甘い匂いが混じる不思議な海辺の空気。
日本最古の温泉の一つ、金泉の源泉付近は鉄分を多く含む茶褐色の湯から金属と塩の独特の匂いが立ち上る。温泉饅頭を蒸す湯気と、炭酸煎餅の焼ける甘い匂いが温泉街を包む。
金曜深夜の生田ロードは居酒屋のビールと焼肉の煙、路上の嘔吐物、そして排水溝から上がる油と洗剤の匂いが混ざった歓楽街の匂い。朝方の清掃車が来るまでこの匂いが続く。
昭和の面影が残る野毛の飲み屋街は、ホルモン焼きの脂と煙が換気扇から路地に噴き出している。焼き鳥の炭火と塩ダレの匂い、居酒屋の引き戸が開くたびにビールの麦芽の匂いが溢れる。
西仲通り商店街の両側からもんじゃ焼きの小麦粉とウスターソースが鉄板で焦げる甘酸っぱい煙が立ち上る。明太子もちもんじゃの海苔の磯臭さとチーズの焦げた匂いが路地に充満する。
那覇空港の南に浮かぶ瀬長島の白いテラスからは、離発着する飛行機のジェット燃料の匂いと東シナ海の暖かい潮風が同時に届く。テラスのハンバーガーショップからはパティの焦げた肉汁の匂いが海風と混じる。
大須観音の門前町は台湾唐揚げの五香粉とニンニクの匂い、トルコケバブの羊肉がスパイスと共に回転する匂い、そして鬼まんじゅうのさつまいもの素朴な甘い匂いが多国籍に混在する。
土塀と用水路が続く武家屋敷の通りは、雨に濡れた土塀の土壁の匂いと、用水路を流れる清水の冷たい鉄分の匂いが風情を醸す。秋の薦掛けの時期は藁の乾いた草の匂いが加わる。
埋立地の工業エリアは下水処理場と廃棄物処理施設が近く、風向き次第でメタンと硫化水素の混じった不快な匂いが釣り客の集まる岸壁まで流れてくる。潮の匂いがかき消されるほど。
博物館に入ると焙煎機から挽きたてコーヒー豆のメイラード反応による香ばしい芳香と、カフェオールのビターな苦みの匂いが館内全体に満ちている。神戸港を渡る風が潮の匂いを運んでくる。
ガラス張りの現代美術館の外周を歩くと、隣接する兼六園から松と苔の匂いが漂ってくる。カフェの入口付近では加賀棒茶の焙じた茎茶の香ばしい匂いが扉越しに漏れ、金沢の新旧が交差する。
参道の梅ヶ枝餅を焼く店が連なり、餡子と餅が鉄板で焦げる甘香ばしい匂いが石畳に漂う。境内の飛梅の前では2月に梅の花のベンズアルデヒドの甘い芳香が冷たい筑紫の風に乗る。
三種の神器・草薙神剣を祀る本宮の参道は、樹齢千年超の大楠のカンファーの強い樟脳臭が境内を浄化するように漂う。正月の初詣では参道のきしめんの出汁と味噌カツの八丁味噌の匂いが充満。
尾道水道を見下ろす千光寺公園の桜の季節、山の斜面に咲く桜から花弁の甘い匂いが海風と混じる。参道の林芙美子記念館付近ではお好み焼きの甘いソースの匂いが坂の途中から漂ってくる。
琉球焼の窯元が並ぶ石畳の通りは、登り窯に火が入る日は薪が燃える煙と素焼きの粘土が焼ける乾いた無機質な匂いが立ち上る。工房の軒先ではシーサーの素焼きが干され、沖縄の強い日差しに温められた陶土の匂い。
店の前を通ると柿の葉の青い渋みのある匂いと、酢飯の酢酸の酸味、サバの〆た魚の匂いが混じった柿の葉寿司独特の芳香が漂ってくる。奈良の郷土食の素朴な匂いが観光客を引き寄せる。
JR鶴橋駅のホームに降りた瞬間から焼肉の炭火と脂の匂いが漂う。キムチの唐辛子とニンニクの発酵した刺激的な酸味、ナムルのごま油の匂いが商店街のアーケード全体に染みついている。
豚まんの蒸籠から立ち上る豚肉と玉ねぎの甘い湯気と、北京ダックの皮が炭火でパリッと焼ける匂いが通りに充満。甜杏仁豆腐の杏仁の甘い匂いとごま団子の揚げ油が中華街の空気を作る。
「京の台所」は幅3.5mの狭い通路に漬物の糠床の発酵臭、焼き栗の甘い煙、出し巻き卵の出汁の匂い、京野菜の青い匂いが層になって溢れる。天井のアーケードが匂いを逃さず濃縮している。
リフトで展望台に上がると、眼下に広がる札幌の市街地と対照的に山の斜面はトドマツとエゾマツの針葉樹林。冬は雪が針葉樹の匂いを閉じ込め、春の雪解け時に一斉にテルペンの清涼な芳香が放出される。
原始林に囲まれた参道は苔むした石灯籠が3000基並び、雨上がりには苔の土臭い湿った匂いとヒノキの樹脂の匂いが充満する。万葉植物園では藤棚の藤の花の甘く優雅な匂いが5月の空気を染める。
聖徳太子建立の古刹は、線香の白檀と沈香の甘く重い煙が石畳の参道に低く漂う。亀の池の水と藻の匂い、そして境内の大銀杏の落葉が踏まれて放つ酪酸臭が秋の風物詩。
原三溪が造営した日本庭園の梅林では2月に白梅と紅梅が咲き競い、ベンズアルデヒドの杏仁の甘い芳香が池の水面を渡る冷たい風に乗って届く。園内の古建築からは桧皮葺の屋根の枯れた木の匂い。
東広島市の西条は灘・伏見と並ぶ酒どころ。白壁の酒蔵が連なる通りは、冬の仕込み時期に米を蒸す蒸気と麹菌の甘い発酵臭が煙突から漏れ出す。赤煉瓦の煙突が建ち並ぶ景観と共に、醸造の匂いが街のアイデンティティ。
5月中旬、公園南側のバラ園でダマスクローズとティーローズの芳香が朝露の湿った空気に溶け込む。ドッグランから犬が走り回る土埃の匂いが風に乗って微かに混じる。
朱色の鳥居が連なるトンネルの中は、ヒノキの柱から放たれるヒノキチオールの清涼な木の芳香が満ちている。山頂へ向かう途中の茶屋ではきつねうどんの甘い揚げと出汁の匂いが休憩を誘う。
明治初期から続く市場はタラバガニとズワイガニの甲羅が積まれた発泡スチロールから磯と海水の塩気が漂う。イクラの醤油漬けの瓶が並ぶ棚からは魚卵の生臭さと醤油の発酵した匂いが漏れる。
真夏でも竹林の中は涼しく、孟宗竹の青い幹から竹特有のフレッシュグリーンの匂いが降りてくる。風が吹くとサワサワと竹がしなる音とともに、竹の葉のシトラスに近い清涼な香りが強くなる。
「博多の台所」と呼ばれる市場は朝から明太子の唐辛子と魚卵の匂い、博多雑煮用のかつお菜の青い匂い、そしてアラ(クエ)の刺身が切られる新鮮な白身魚のほのかな潮の匂いが充満する。
夏の隅田川花火大会の翌朝、河川敷には火薬の硝煙と硫黄の残り香、そして宴会のゴミから発生する生ゴミの酸っぱい発酵臭が漂う。川面からは藻の青臭い匂いが蒸し暑い空気と共に立ち上る。
石油化学コンビナートが並ぶ湾岸エリアは、エチレンプラントの甘いような有機溶剤臭とコークスの硫黄系の匂いが風向き次第で内陸まで届く。夜はフレアの炎が橙色に空を染める。
JXTGの製油所が稼働する根岸湾沿いは、風向きが変わると石油精製のメルカプタン系の匂いとナフサの甘い溶剤臭が住宅地に届く。地元では「根岸の匂い」として長年知られている。
ディープな飲み屋街が密集する栄町の路地は、ヤギ汁の獣臭い湯気と島らっきょうの天ぷらの油の匂いが壁に染みついている。三線の音色が漏れる店の扉が開くたび泡盛の芳醇な匂いが路地に溢れる。
住吉祭の夜、屋台のりんご飴のカラメルが煮える甘い匂いと、焼きとうもろこしの醤油が焦げる香ばしさが境内に充満する。線香花火の火薬の硝煙の匂いが夏の夜に溶けていく。
約1000本の桜が城壁に沿って咲く春の夜、ライトアップされた花の下で宴会客の焼酎と焼き鳥の匂いが桜の甘い匂いに重なる。石垣に残る昼間の熱が花の芳香を夜まで漂わせている。
石油ストーブの灯油が燃える匂いが路地に漏れ出す冬の夜、先斗町の狭い石畳の通りは割烹の鯛の塩焼きと湯豆腐の昆布出汁の匂いが障子の隙間から漂う。凍てつく空気に和食の繊細な香りが映える。
南極観測船ふじの横を歩くと港湾の重油とペンキの匂いが鉄の船体から漂う。冬場は岸壁近くのおでん屋台から大根と練り物の出汁の湯気が立ち上り、潮風と混じって温かい気持ちになる。
夕やけだんだんの階段を降りると、惣菜屋のメンチカツが揚がる音と油の香ばしさが迎えてくれる。焼きたての煎餅屋の醤油が焦げる匂いと、猫が昼寝する路地の日向の温かい匂い。
石造りの旧倉庫をリノベしたガラス工房からバーナーで溶けたガラスの無機質な熱い匂いが漏れる。運河沿いの寿司屋からシャリ酢の酢酸と炙りサーモンの脂の焦げる匂いが夕方の冷たい空気に映える。
頭上を羽田発着の旅客機が轟音で通過し、ジェット燃料のケロシンの甘い匂いが降ってくる。滑走路の対岸にあるこの公園は、航空燃料と東京湾の磯の匂いが混じる不思議な場所。
4月中旬の一週間だけ開放される構内は、八重桜の濃厚な甘い芳香が旧淀川からの風に乗って押し寄せる。関山や普賢象など遅咲き品種のボリュームある花弁からは蜂蜜のような匂い。
参道の両側に並ぶ茶舗から焙じ茶を炒る香ばしい煙が漂い、抹茶ソフトクリームのほろ苦い甘さと混じる。宇治川の清流の匂いが背景にあり、茶の香りが一層際立つ参道。
全長590メートルの地下街は空調で均一に保たれた空気の中に、パン屋のイースト菌の発酵香、ドラッグストアの芳香剤、すれ違う人の柔軟剤の匂いが層になって漂う。地上の蒸し暑さを忘れる人工的な涼しさ。
夏の海水浴シーズンは日焼け止めのオクチノキサートの甘い化学的な匂いとBBQの炭の匂い、潮風が入り混じる。シーズンオフの冬の朝は打ち寄せる波だけの清潔な塩と藻の匂い。
夏の大通公園名物、焼きとうきびの屋台からとうもろこしが炭火で焼かれる甘い香ばしさと醤油ダレの焦げた匂いが噴水広場まで漂う。北海道産の甘いとうもろこしの糖分が焦げる独特の芳香。
エゾヤマザクラが咲く5月初旬の境内は、本州より遅い春の花見客でジンギスカンの羊肉と煙の匂いが充満する。参道の杉林の間を抜ける風は冷たく、針葉樹のフィトンチッドが肺を洗う。
11月上旬、園内のバラ花壇と菊花壇展が同時期に見頃を迎える。ダマスクローズの甘い芳香と菊の独特の青い苦みのある香りが交互に届き、銀杏並木の酪酸臭が遠くからアクセントを添える。
玄界灘に面した海岸を走ると窓から入る潮風は荒々しく、昆布とワカメが打ち上げられた浜辺はヨウ素と海藻の濃い磯の匂い。冬の北西風の日は波しぶきの塩が唇に付くほど。
ロープウェイを降りた瞬間、ラベンダーの酢酸リナリルの甘い芳香とローズマリーのカンファーの清涼感が迎えてくれる。6月はカモミールの青リンゴに似た匂いの畑が一面に広がる。
5月の満開時、約330品種のバラが一斉に咲きほこり、ダマスクローズの甘い芳香とティーローズの紅茶のような上品な匂いが潮風と交差する。隣のフランス山からイチョウの新緑の青い匂いも。
日本一の酒どころ灘五郷の酒蔵が並ぶ通りは、冬の仕込み時期に麹室から米麹の甘い栗のような匂いが漏れ出す。もろみを絞る槽場からは酒粕の濃厚な発酵臭と吟醸香のフルーティな芳香。
11月下旬、2000本のカエデが燃えるように色づき、踏みしめた落ち葉からタンニンの渋い匂いと湿った土の匂いが立ち上る。谷を渡る風が冷たく、朽ちゆく葉の甘酸っぱい発酵臭が秋の深まりを告げる。
5月中旬、約120品種1400株のバラが咲き誇る噴水塔周辺は、フルーティな芳香とスパイシーな品種の匂いが入り混じる。朝の湿った空気に香りが溶け込み、昼間より濃厚に感じられる。
被爆からも復活した樹齢300年超のクスノキの根元に立つと、樟脳のツンとした清涼な香りが降りてくる。秋の紅葉期は濯纓池の水面に映る紅葉と、落ち葉が水に浸かって放つタンニンの渋い匂い。
サーターアンダギーの揚げ油の甘い匂い、泡盛を仕込む古酒の蔵から漂うアルコール発酵臭、そして沖縄そばの豚骨と鰹出汁が混じった独特の香りが夜の通りを満たす。
ビルの中に入った瞬間、キャベツの水蒸気と豚肉の脂が鉄板で焦げるジュウジュウという音と匂いに包まれる。オタフクソースの酢酸と果実の甘酸っぱい香りが階段を伝って外まで漏れている。
江戸時代から続く醤油蔵が軒を連ねる通りは、大豆と小麦の麹が発酵する甘酸っぱい醸造臭が常に漂う。港に近づくと日本海の荒い潮風と、水揚げされたイカの生臭い匂いが混じる。
古い町家が並ぶ路地を歩くと、墨と和紙の乾いた匂い、筆屋の膠の獣脂臭、そして奥の和菓子屋から漏れる粒餡を炊く小豆の甘い湯気が入り混じる。奈良の暮らしの匂い。
紅殻格子の茶屋が並ぶ石畳の通りは、金箔ソフトクリームのバニラと和ろうそく屋の櫨蝋の匂いが漂う。奥の路地では茶室から抹茶を点てる際の青い渋い香りが障子越しに漏れてくる。
IHIの造船ドックから溶接の金属が焼ける刺すような匂いと塗料のシンナー臭が港に漂う。大和ミュージアム前の岸壁に立つと、工業と潮風が混じった呉らしい匂い。
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