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臭い匂い食べ物・飲み物

ドリアン発酵臭

Overripe Durian Fermentation Odor

香りの強さ:強烈なにおい

臭気の客観指標

臭気強度(6段階臭気強度表示法)
5 / 5
強烈なにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
8e-7 ppm
代表成分: Ethanethiol
出典: van Gemert, Odour Thresholds, 2011; Nagata Y. (2003) Measurement of odor threshold by triangle odor bag method, Odor Measurement Review, pp.118-127

※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。

香りの説明

完熟を超えて発酵が進んだドリアンが放つ、ガス漏れと腐った玉ねぎと下水を混ぜたような圧倒的な悪臭。エタンチオールと硫化水素の濃度が通常の完熟ドリアンの数倍に達し、密閉空間では目に染みるほどの刺激を伴う。

編集部の解説

ドリアン発酵臭は、完熟を超えて発酵が進んだ果実から立ち上る、ガス漏れ、腐った玉ねぎ、下水を混ぜたような圧倒的な悪臭です。硫黄を思わせる腐敗臭がむわっと広がり、刺激的で、密閉空間では目に染みるように感じられます。通常の完熟ドリアンより、においの印象が極端に強くなります。

このにおいは一つの成分だけでできているのではありません。発酵が進むと、エタンチオールと硫化水素の濃度が通常の完熟ドリアンの数倍に達します。さらに、ジエチルジスルフィド、エタノール、酢酸エチルなど、44種以上の揮発性成分が重なって複雑な香りを形づくります。単独の成分だけで本物のドリアン臭を再現することはできません。

食べ物としてのドリアンは、完熟の段階では独特の香りを含む果実として親しまれますが、発酵が進んだ状態は周囲への迷惑になりやすいにおいです。シンガポール、タイ、マレーシアの公共交通機関ではドリアンの持ち込みが法律で禁止され、ホテルでも持ち込み禁止が一般的です。専用の「ドリアンルーム」を設けるホテルもあります。

扱うときは、完熟を超えて発酵が進んだものを密閉空間に持ち込まず、周囲に人がいる場所では香りの広がりに配慮しましょう。香りを観察するなら、完熟ドリアンとの違いを意識し、エタンチオールの玉ねぎ様の印象、硫化水素の硫黄臭、エタノールや酢酸エチルの重なりを分けて捉えると、複合臭としての特徴を見つめやすくなります。

主な化学物質

エタンチオール硫化水素ジエチルジスルフィドエタノール酢酸エチル

暮らしとの関わり

  • 圧倒的な腐敗臭の印象
  • 硫黄臭を含む複合的な香り
  • 密閉空間では迷惑になりやすい
  • 公共交通機関で持ち込み禁止
  • ホテルで持ち込み禁止が一般的

対策

  • 密閉容器での保管
  • 換気の良い屋外での開封
  • 過熟ドリアンの速やかな廃棄
  • 活性炭による脱臭

エビデンス

2017Journal of Agricultural and Food Chemistry (Li et al.)

ドリアンの揮発性成分をGC-MS/Olfactometryで分析し、エタンチオール、ジエチルジスルフィドを含む8種のキーコンパウンドを特定。再構成実験で本物の香りの約70%を再現できることを報告。

2017Nature Genetics (Teh et al.)

ドリアンのゲノムを解読し、硫黄化合物の生合成に関わるメチオニン-γ-リアーゼ(MGL)遺伝子が果実の成熟とともに強く発現することを報告。ドリアンの臭気の遺伝的基盤を初めて解明。

トリビア

  • ドリアンの発酵が進むとエタンチオール(腐った玉ねぎ臭)の濃度が通常の5-10倍に増加する。エタンチオールの嗅覚閾値は0.008 ppbと全有機化合物中最低レベルで、都市ガスの着臭剤にも使われている。
  • シンガポール、タイ、マレーシアの公共交通機関ではドリアンの持ち込みが法律で禁止されており、違反すると罰金が科される。ホテルでも持ち込み禁止が一般的で、専用の「ドリアンルーム」を設けるホテルもある。
  • ドリアンの匂いは44種以上の揮発性成分の複合で形成されているが、単独でドリアンの匂いを再現できる成分は存在しない。Li et al.(2017)はGC-MS/Oで8種のキーコンパウンドを特定したが、再構成しても本物の70%程度の再現度にとどまった。