いい匂い食べ物・飲み物
ココナッツ
Coconut
香りの強さ:楽に感知できるにおい
臭気の客観指標
臭気強度(6段階臭気強度表示法)
3 / 5
楽に感知できるにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
0.0056 ppm
代表成分: gamma-Nonalactone
出典: van Gemert, Odour Thresholds, 2011; Rychlik et al., 1998
※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。
香りの説明
甘くクリーミーでトロピカルな芳香。ココナッツミルクやコプラから揮発するγ-ノナラクトンやδ-デカラクトンが、南国のビーチを連想させる温かく甘いミルキーな香りを形成する。
主な化学物質
γ-ノナラクトンδ-デカラクトンδ-オクタラクトン2-ヘプタノンノナナール
暮らしとの関わり
- 甘くミルキーな印象
- 南国のビーチを連想
- 夏の香料として親しまれる
- 料理や菓子に使われる
- 加工で香りが変化する
エビデンス
2003Journal of Agricultural and Food Chemistry (Jirovetz et al.)
ココナッツオイルの揮発性成分をGC-MSで分析し、γ-ノナラクトンとδ-デカラクトンがココナッツの特徴香に最も寄与する成分であることを確認。ラクトン類は全香気の60%以上を占める。
2005Food Chemistry (Mahattanatawee et al.)
フレッシュココナッツと乾燥コプラの香気プロファイルを比較し、乾燥工程でラクトン類が約2倍に増加する一方、フレッシュなグリーンノート(ヘキサナール等)が減少することを報告。
トリビア
- ココナッツの甘い香りの主成分γ-ノナラクトンは「ココナッツラクトン」とも呼ばれ、サンオイルや日焼け止めにも香料として添加されるため「夏の海の匂い」として知覚されることが多い。
- ココナッツの果肉(コプラ)の香気成分は乾燥・加熱の過程でラクトン類が増加し、フレッシュなココナッツと加工品では香りプロファイルが大きく異なる。
- γ-ノナラクトンは桃やアプリコットにも含まれ、フルーツ全般の「クリーミーさ」に寄与する汎用的な香気成分である。

編集部の解説
ココナッツは、甘くクリーミーで、温かみのあるミルキーな香りです。そこにフルーティーな明るさとエキゾチックな印象が重なり、南国のビーチや夏の海を思わせます。濃厚で親しみやすい一方、どこか開放的な雰囲気を持つのが特徴です。
この香りの中心を担うのは、ココナッツミルクやコプラから揮発するγ-ノナラクトンとδ-デカラクトンです。γ-ノナラクトンは「ココナッツラクトン」とも呼ばれ、桃やアプリコットにも含まれます。δ-オクタラクトン、2-ヘプタノン、ノナナールも加わり、甘さや果実感、香りの広がりを形づくります。
果肉を乾燥させたコプラは、乾燥・加熱の過程でラクトン類が増え、フレッシュなココナッツとは異なる香りになります。ココナッツミルクを使う料理や飲み物、ココナッツを使った菓子のほか、γ-ノナラクトンが香料として添加されるサンオイルや日焼け止めでも、この香りに出会えます。そのため、夏の海の匂いとして知覚されることがあります。
楽しむときは、フレッシュなココナッツと加工品を嗅ぎ分け、甘さだけでなく、温かさ、果実感、ミルキーさの重なりに注目するとよいでしょう。香料としては、南国らしい印象を生かして、夏らしい空間や身支度の場面に取り入れられます。強く感じるときは、少量から香りの濃さを調整するのがコツです。