いい匂い自然・環境
竹(竹林)
Bamboo Grove
香りの強さ:何のにおいか判る弱いにおい
臭気の客観指標
臭気強度(6段階臭気強度表示法)
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何のにおいか判る弱いにおい
根拠: 環境省 6段階臭気強度表示法(悪臭防止法)
基準: 悪臭防止法 6段階臭気強度表示法(環境省)
嗅覚閾値(検知閾値)
0.0045 ppm
代表成分: Hexanal
出典: Nagata Y. (2003) Measurement of odor threshold by triangle odor bag method, Odor Measurement Review, pp.118-127
※ 臭気強度は環境省「6段階臭気強度表示法」に準拠した感覚的評価値です。嗅覚閾値はヒトが検知できる最低濃度で、値が小さいほど少量で匂いを感じます。
香りの説明
京都・嵐山に代表される竹林に足を踏み入れた際に包まれる、清涼感あるグリーンノートと微かな甘みを帯びた芳香。竹の葉から揮発するヘキサナールのグリーン香とフィトンチッド成分が、静謐で清々しい空間を演出する。
主な化学物質
ヘキサナール(E)-2-ヘキセナールリナロールα-ピネンフィトール
暮らしとの関わり
- 爽やかなグリーンノート
- 竹林の静謐な空間
- 日本の美的体験
- 風と葉が生む香り
エビデンス
1993Phytochemistry (Hatanaka)
緑葉の揮発性成分(グリーンリーフボラタイルズ)の生合成経路を解明。リポキシゲナーゼがリノレン酸を酸化し、ヒドロペルオキシドリアーゼがヘキサナールと(E)-2-ヘキセナールに分解する経路を詳述。
2012Forest Ecology and Management (Komatsu et al.)
竹林(孟宗竹)からのBVOC(生物起源揮発性有機化合物)排出量を測定し、成長期にイソプレンとテルペン類の放出が増加することを報告。竹林の空気浄化機能と芳香環境の関係を考察。
トリビア
- 竹林の爽やかな匂いは竹の葉から揮発するC6アルデヒド類(ヘキサナール、(E)-2-ヘキセナール)によるもので、これは葉の細胞が風で揺れて傷つく際にリポキシゲナーゼが脂肪酸を分解して生成する「グリーンリーフボラタイルズ」である。
- 竹は世界で最も成長が速い植物で、孟宗竹は1日に最大120cm伸びることがある。この急速な成長中に大量の有機揮発性成分を放出し、たけのこの収穫期(春)には竹林特有の甘い芳香が特に強くなる。
- 京都・嵐山の竹林の小径は年間約1,500万人が訪れる観光地だが、竹林の音響効果も独特で、風で竹同士がぶつかる「竹の音」と「竹の匂い」が一体となった多感覚体験は環境省の「残したい日本の音風景100選」に選ばれている。

編集部の解説
竹林に足を踏み入れると、青葉を思わせる清涼感のあるグリーンノートに、かすかな甘みを含む芳香が感じられます。香りは強く主張せず、風や葉の動き、木立の静けさと重なりながら、ウッディで清々しい空間を形づくります。
この印象を生む中心的な成分は、竹の葉から揮発するヘキサナールと(E)-2-ヘキセナールです。葉の細胞が風で揺れて傷つくと、リポキシゲナーゼが脂肪酸を分解し、C6アルデヒド類であるこれらの成分が生まれます。リナロール、α-ピネン、フィトール、フィトンチッド成分も、竹林の香りに奥行きを添えます。
暮らしの中では、京都・嵐山に代表される竹林の小径を歩く場面が印象的です。春のたけのこの収穫期には、竹林特有の甘い芳香が際立つとされ、風で竹同士がぶつかる音と竹の匂いが重なる多感覚の風景として親しまれています。竹林は日本の美的体験を感じる場所の一つでもあります。
香りを楽しむなら、葉に近づきすぎて一度に嗅ぐのではなく、風の通り道を歩きながら、青葉の香りと微かな甘みの変化を追うのがコツです。季節や風の強さ、葉の揺れ方で印象が変わるため、音や光景も含めて味わうと、竹林らしい静けさをより身近に感じられます。