「加齢臭」という言葉は広く知られていますが、実際に何歳から発生するのかを正確に答えられる方は少ないでしょう。本記事では、加齢臭の原因物質である2-ノネナールに関する研究データをもとに、年齢との関係を検証します。

2-ノネナールとは何か

2-ノネナールとは何かのまとめ

加齢臭の正体として知られるのが、2-ノネナール(2-Nonenal)という不飽和アルデヒドです。Haze et al.(2001)が資生堂の研究で初めてこの物質を同定し、「加齢臭」の科学的な裏付けを示しました(ノネナール完全ガイドで詳しく解説しています)。2-ノネナールは脂っぽく青臭いような独特のにおいを持ち、ろうそくや古本に例えられることもあります。

年齢による2-ノネナール分泌量の変化

年齢による2-ノネナール分泌量の変化のまとめ

Haze et al. の同研究では、被験者の体表ガスを分析した結果、2-ノネナールは40歳以上の被験者から有意に多く検出されました。特に顕著な増加が見られたのは50代以降で、20〜30代の被験者からはほとんど検出されなかったと報告されています。

Ishida et al.(2010)のフォローアップ研究では、より大規模なサンプルを用いた分析が行われました。その結果、2-ノネナールの検出量は以下のような傾向を示しました:

  • 20代:検出限界以下がほとんど
  • 30代:一部の被験者で微量を検出
  • 40代:約60%の被験者で検出、ただし濃度は比較的低い
  • 50代以降:80%以上の被験者で検出、濃度も有意に上昇(30〜40代ではミドル脂臭(ジアセチル)も注意が必要です)

生成メカニズムとパルミトレイン酸

生成メカニズムとパルミトレイン酸のまとめ

2-ノネナールの生成には、皮脂中のパルミトレイン酸(C16:1)が深く関わっています。Kimura et al.(2016)によると、パルミトレイン酸は過酸化脂質と反応して酸化分解され、2-ノネナールが生じます。加齢に伴い皮脂中のパルミトレイン酸の割合が増加することが、年齢とにおいの相関の背景にあると考えられています。

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まとめ

研究データを総合すると、加齢臭の主成分である2-ノネナールは40代から検出され始め、50代以降に顕著になるというのが現在の科学的なコンセンサスです。ただし個人差が大きく、生活習慣や食事内容によっても変動します。加齢臭対策を始めるなら、40代からの予防的なケアが有効と言えそうです。